介護職のリーダーになりたての人は、新人教育を任されても「何からはじめたらいいのかわからない」「人に何かを教えることが苦手だ」「人に何かを教えた経験がない」など、新人教育に対する悩みを抱えてしまう人が多いようです。しかし、リーダーに選ばれたり、あるいは新人教育を任されたりした場合は、今まで頑張ってきたことや、積み上げてきたスキルなどが評価されたからこそです。また、自分が提供するサービスで喜んでくれる利用者がいることも意味するので、自信を持ちましょう。
せっかく教育係を任されたのに、上記のような理由で辞退したり、途中で放棄してしまっては、今まで培ってきたあなたのスキルは職場の仲間に伝えられなくなってしまいます。その結果、施設や事業所のサービスの質は低下し、満足していた利用者が離れてしまうこともあるかもしれません。介護職には気持ちの優しい人が多く、マネジメントや指導する側に立つよりも、裏方の方が安心する人も少なくない気がします。しかし、経験を積んだり、能力を高めてきたりした人は、どんな業種でも自分の持つスキルを周囲に伝えていくほうが、自身にも、周囲にも好影響を及ばします。職業人として謙虚でいることは重要ですが、自分が学んだことを、別の人に伝えることも職業人の重要な務めだと考えて、悩みながらも新人教育に臨むことが大切です。
ところで、人に教えるのが苦手な人は、自分の行っていることを言語化していないだけという場合があります。ですから、これまで様々な方を介護した経験や、利用者の心身の状態を観察したりしたことで気づいたことがあれば、それをメモに残しておくことをおすすめします。そして、新人教育の際には、それを参考にしてアドバイスをすると、自分のノウハウを人に的確に伝えることができるようになるでしょう。